シグナレス/signaless signaless

H編集部員日記 - 2008年6月30日(月)

母さん、僕のあの氷枕、どうしたんでせうね?
ええ、風邪っぴきの夜、氷水からぬるい水へなってゆき、
布団がしめってくるあのアズキ色の氷枕ですよ。


母さん、あれは好きな氷枕でしたよ、
僕はあのときもずいぶんくるしかった、
だけど、いきなり桃缶がさしだされたもんだから。
・・・・・・・。


 僕は今、風邪をひいています、薬をのんでただ寝るだけ。仕事に差し障りのないようにひたすら祈るばかりなんと悲しいことでしょう。昔は風邪をひいたら普段と違うことに満ち溢れていたものです。


 昼間の自宅の違った雰囲気、母がやっている家事の音、お粥の味、いつもより優しい家族。もうそんな風景は味わえない年になってしまいました。風邪の苦しみと引き換えに味わう人への甘え、あれは何ともいえないものだったような気がしています。アイスノンでは味わえない苦しさと恍惚が入り混じった何ともいえないものだった気がします。(早川八十)


O編集部員日記 - 2008年6月27日(金)

DVDで『ワンダフルライフ』を見た。是枝裕和監督のちょっと(だいぶ?)前の作品なんだが、よかった。静かで、ほの暗くて、そして出てくる人たちがそれぞれ印象的だった。新作の『歩いても 歩いても』も期待している。


最近またちょくちょく映画を見ているんだが(DVDが多いんだけど。もっと館にも行かないとなあ)、他に最近よかったのは、『サッド・ヴァケイション』『ゾディアック』など。前者は青山監督の新作なんだが、惹き込まれた。この人のものはけっこう見ているんだが、この作品は『EUREKA(ユリイカ)』と並んで青山作品の頂点をなすものではないかと思った。この人のものでは他に、『シェイディー・グローブ』『月の砂漠』が好き。


・・ここまで書いたところで、15分中断。ショーバイで出品しているブツのうちのひとつが落札されたため。むろんありがたや〜というところなのだが、「即決」にしているので、いつ落札されるかわからんのが、ちょっと難ではある。今真夜中なんだよね。とほ。


で、気を取りなおして続きですが、『ゾディアック』はデヴィッド・フィンチャー監督。連続殺人を題材にしたもので、『ファイトクラブ』とはまた違ったテイストの力作になっていた。なんだかうまくいかない人ばかり出てくる話で、ある意味かなり地味な作品なんだが、じっくりていねいに撮っている感じがした。


そうそう、昨夜見たアルモドバル監督の『ボルベール〈帰郷〉』もナカナカだった。この人のものでぼくが一等面白かったのは『トーク・トゥ・ハー』で、今回のはオチがちょっと空転気味では?  という気はしたんだが、それでもやっぱり魅了された。シリアスな話でありながらビミョーにマヌケ味もあって独特。ケバいほどの色彩の鮮やかさも目に楽しい。


・・・なんだか書いてることが、「シグナレス」の映画ネタ連載みたいですね。日記らしくない。えーと、今夜は寝る前に『電脳コイル』というアニメを見てみるつもりです。(O)


O編集部員日記 - 2008年6月22日(日)

いつもの「シグナレス」のメンバーで三条寺町で会食した。フンパツして分不相応の店に行ったんだが、肉はンまいし、建物はシブいしで、うーむ、さすがでしたわ。これみよがしな高級感ではなく、品があって、落ち着いた雰囲気だったと思う。たまにはこういうのもいいなあと。財布はすっからかんになったけど・・。次回はホームグラウンドの「赤ひげ」に回帰します。


他の三人は昼間は「シグナレス」の企画で山崎のビール工場を見学しに行っていたんだが、ぼくだけ仕事で行けなかった。聞けば工場からぼく宛にビールを送ってくれたというではないか。嬉しくて涙がちょちょぎれたよ。ありがとね。(O)


M編集部員日記 - 2008年6月20日(金)

磔磔でのタテタカコのライブに行く。4月リリースのアルバム『敗者復活の歌』を携えてのツアー。ウイスキーをロックで飲みながら聴いているとだんだん良い心地になってきて、心が震えた。特にアンコールの「今日の日はさようなら」最高だった。タテタカコは歌っているときは力強いのに、話をしていると純朴そのもの。こういう人が今の世の中にいることが大げさに言うとちょっとうれしい。(M)


M編集部員日記 - 2008年6月14日(土)

京都みなみ会館で七里圭監督『眠り姫』を観る。ほとんど人物が画面に登場せず、風景とセリフだけで進行していく少し変わった映画。アイデアとして面白いような気がしたけれども、何か物足りないという印象。


少し前のこの日記でO氏がブログを開くというようなことを書いていたけれど、思えば昔からO氏は「書く人」で、とにかく文章が次から次から湧き出てくるというような感じだった。それとは反対に僕は言葉を使うことに少し欠陥があるような感じが自分自身はしている。肝心なときに話すにしても、書くにしても言葉が出ない。そうして、自分では何気ないつもりで発している言葉で、人を傷つけることが多い。


一体、書くってどういうことなんだろう。僕はやはり他者に向けて書くということは、特別なことではないのだろうかと思っていて、とてもブログを開いて日記感覚で毎日のように書くなんてできそうもない。まあ、もっともそれどころか怠け者だから、それ以前なのだけれど。


それにしても、やっぱり言葉は難しい。(M)


H編集部員日記 - 2008年6月8日(日)

たしか日記の当番だったような気がしたので書きます。といってもここ2〜3日でしたことといえばサクマ式ドロップスを2ついっぺんに口に放りこんで、左右で違う味と混ざった味を楽しむという節子もびっくりな贅沢をしたぐらいなので、ここでは5・25に行われた関西コミティア参加報告を簡単にしておきましょう。


 来た!みた!買うた!!のキタ商店は関西人のオッサンにしかわからないCMネタであるが、つまり何が言いたいのというと、結構売れましたよというのが今回のお話。 大阪は天満の駅すぐ横OMMビルにて開催された関西コミティア32。これはどういった催しかと知らない人に簡単に説明すると、素人が(玄人でもいいけど)持ち寄ったオリジナルの創作物をみずからで売り買いしましょうという催しなわけですな。


 まあ漫画が多いのですが小説やゲームソフト、鞄、オリジナルグッズ、個人研究の発表などがあり自己表現の場というやつですな。


 ここに乗り込んだのは蒼幻社のデザイナーiori氏と小間使い早川の二人、朝もはよから電車に乗ってやってきたのでした。割り当てられたスペースは長机の半分、パイプ椅子一つ分で後ろにもう一つ椅子を追加し二人が座れるようにしてあってiori氏はその机に黒いテーブルクロスをかけ準備をしています。私は邪魔になるといけないので後ろで慎重にパンを頬張っていました。


 10時30分、サークル参加していない一般の人たちの入場、それから30分と経つことなく一人の女性がこちらにやって来ました。僕らは人気サークルでもなんでもないので隣のサークルのお客さんだろうとボケーとしまりの無いアホ面を下げていると彼女は我等のスペースに立ち止まり中身も見ることなくシグナレスの1〜3号を手に取っていきなりのお買い上げ〜〜〜!これはサイサキがよいぞと思ったのでした。その後もひやかしに来てくれる人かってくれる人様々でなんと1時ぐらいには一緒に持っていった在庫の壱号、弐号が売り切れてしまいました。男性のお客よりも女性のほうが多かったかな。結局、3時半の終了までに何と12部も売れましたよ。そんだけかよと言う無かれ2〜3部しか売れない時もざらにあるわけで、日本の景気が良くなったのか?といぶかしむ程でした。それほどパロディ作品ではなく後ろ盾なきオリジナル作品を買ってもらうということは難しいことなのです。まあお客さんの半分以上はiori氏のお客さんなので純粋にシグナレスの勝利とはいかないだろうけどその内の一人でも内容に感心はしなくてもフ〜〜ンといった気持ちで読んでくれたらそしてまた手に入れてみようという気になってくれたら十分だとおもいます。フリーペーパーってそうして何気なく手にされて何気なく読んで、何気なく捨てられていくものでしょう?ファン心理とか批評とかマニア心とかはいらないとはいわないけどもっと心を軽くして、読むほうも書くほうも楽しい高度な遊びにしていきたいですね。(エロイH)


O編集部員日記 - 2008年5月31日(土)

基本的に呑気な性格だと自分では思っているんだが、自分の行く末について案じることもある今日この頃。昨夜はなかなか寝つけなかった。


個人的なことになるが、ブログを開きたいと思っている。5年ほど続けていたHPを休業して1年が過ぎたんだが、まあそろそろまた書きたくなってきたしだい。HPはやってみて、良い面、悪い面両方経験したが、言葉の世界に魅せられた人たちから、いろいろな刺激を受けたのは貴重なことだったと思っている。


武田雅哉『桃源郷の機械学』というのを読んでいる。中国人の想像力のありかたを探る本。装丁がポップ。『千一夜物語』が読み終わったら、次は『紅楼夢』を読もうと思っている。(O)


O編集部員日記 - 2008年5月28日(水)

ぼくも体調を崩してしまった。地元の祭りの神輿かつぎに参加したんだが、そこでマス酒をガブ呑みしたのが、マズかったらしく。ゲホゲホゲホ。


『墓場鬼太郎』のDVD第2集が届いた。月一ペースでの発売がもどかしい。さっそく見た。可憐な美少女なのに、ねずみを見ると恐ろしい形相の猫になってフギャーッと襲いかかる「寝子」(声をつとめるのはしょこたん)、ねずみ男に吸血木なるものを腕に植えつけられ苦悩する人気歌手「トランプ重井」、そしてニセ鬼太郎などが出てきて、うーむ、おもろい。


三浦しをん『妄想炸裂』が読み終わった。しをんさんのエッセイはやっぱり楽しい。この人って年下なんだよな。年下の作家を好きになったのって初めてかも。あ、でも小説作品は読んだことないんだった。今度読んでみようかな。(O)


M編集部員日記 - 2008年5月24日(土)

おとといの夜から体調不良で結局昨日はタクシーで帰宅。何をやっているのやら。それにしても、一人暮らしは病気になると惨めなものだ。


ちくま文庫『夢野久作全集 8巻』読了。夢野久作というと『ドグラ・マグラ』があまりにも有名だけれど、短編のほうがエンターテイメント性と独自の世界観がうまく組み合わされていて質が高いような気がする。夢野久作の作品を読んでいると、悪夢ではあってもいつも夢見ている人という印象が強い。そういえば、『シグナレス』3号の情報ボックスで「僕たちは空ばかり見る癖を直せるのでしょうか。」という一文があったけれど、僕はこんな荒んだ世の中に生きているなら聖人君子になるよりも、いつまでも空ばかり見上げていたい。


京都駅前UCCで編集会議。第4号の特集は高野文子。どんな内容になるのか楽しみでもありつつ、自分の原稿を書くのは苦労しそう。あとはみんながどんな原稿を書いてくれるのか、やっぱり僕は読者として楽しみにしている。(M)


H編集部員日記 - 2008年5月18日(日)

 今日こそ自分の部屋のかたずけをしようとして、またまた挫折してしまいました。もうかれこれ思い立ってから3ヶ月以上たっています。今、私の部屋だった所は寝る場所も無いといった惨状です。


 失敗の原因は私が本気で部屋のかたずけをしようと思ったことが最大の事でしょうか。それに加えてやってる最中に風邪をひいてしまったという言い訳もできます。


 今、私は太陽の日さえ直接には差し込むことの無い、北向きの部屋で寝起きしています。この硬くて暗い、寒くて暑い部屋に私は以前の自分の部屋のように慣れ親しみ、愛着が湧き、快適になってきています。そして何より注目すべきはこの部屋も以前の私の部屋と同じぐらいに散らかっています・・・・。(H)


O編集部員日記 - 2008年5月13日(火)

GW無休だったぶん、昨日今日と連休だった。昨日は梅田へ行って、本を買った。保坂和志『アウトブリード』と川上弘美『風花』と谷弘兒『錆びた拳銃』。最後のはマンガ。今日はラーメン太郎のカレーラーメン食いたさに隣町まで自転車をこぎ、ついでに近所の山沿いをぐるりひとまわりし、あとは家でゆっくり過ごした。


『千一夜物語』の12巻を読み終えた。いよいよ次が最終巻。うーん、ずいぶん楽しませてもらったなあ。保坂和志『アウトブリード』も読み終わった。他に読んでいるのは、尾崎紅葉『金色夜叉』(めっちゃおもろい)とロラン・バルト『ラシーヌ論』。


おやすみ前に手嶌葵『春の歌集』を聴いている。いいね、これ。(O)


O編集部員日記 - 2008年5月8日(木)

DVDで『墓場鬼太郎』を見た。お子様向けにヒーロー化された鬼太郎とは違い、こちらの鬼太郎はダーク。ヒネている。平気で人を見殺しにする。小5のとき、『河童の三平』を読んで以来の水木ファンなんだが、貸本時代の鬼太郎がこうして原作に忠実なかたちでアニメ化され、まずは嬉しい。


『ふしぎの海のナディア』は全39話中、33話まで見たところで、いささか飽きが来て中断してしまった。そこまで見ておいて・・・。ま、続きはまた気が向いたらってことで。


最近見ておもしろかったのは、『ドカベン』。といってもこれはアニメではなく、実写版の映画。昭和52年作。岩鬼が似ている。ちゃんとハッパに花が咲くシーンもあるし。水島新司先生自らも、監督役で出演している。千本ノックでナインをしごく。
「おらいくぞ岩鬼!(カキーン)おもろい顔しやがって」
「オンドレが描いたんやろ」
「冗談やないわい!(カキーン)もっとイイ男に描いたわい!(カキーンカキーン)」


最近読んでいるのは『千一夜物語』。今12巻。おおらかできらびやかな物語の数々。アラビア文明についていろいろ教えられもし、おもしろい。


最近聴いているのは、中島みゆき『I Love You,答えてくれ』。これはスゴイっすよ。ベストアルバムのような充実ぶりで。中島みゆきの歌を聴いていると、涙ぐみそうになることがあるのはなんでやろ。夜会、一度行ってみたいなあ。二人の歌姫を尊敬している。中島みゆきと戸川純。


仕事場で流しているのは、ローリーの新しいバンド卍の『卍』。ローリーさんは、変態的にしてジェントルマンだね。(O)


M編集部員日記 - 2008年5月6日(火)

ゴールデンウィーク中に5本(厳密に言うと6本)の映画を観たけれども、一番よかったのは『つぐない』。小さな嘘から引き裂かれた恋人たちの悲しい物語。「シグナレス」の他のメンバーは、こういった作品は甘いと言いそうだけれど、僕は好きだ。是非ハンカチを用意して観ていただきたい1本。


昨年、発刊され一部で話題になっているインディーズ雑誌「HB」創刊号を読む。本当に良く出来ている。いわゆるミニコミ誌とは言えないくらいの出来。中途半端なところがない。「HB」に比べると「シグナレス」は、僕自身の「シグナレス」への取り組み方がそうであるようにまだまだ中途半端だ。焦る必要はないけれど、中途半端にダラダラ続けるのは良くないとも思う。肩の力を抜きつつ、もう一段高いところを目指したい。


4日に松阪に行った。梶井基次郎「城のある町にて」の舞台となった町ということで、帰ってきてから再読。静かで地味な小品だけれど、何度読んでも良い。ところで、この作品では城跡から海が見えるという描写があるけれど、僕には海が見えたという記憶がない。本当は見えていたのだろうか。(M)


O編集部員日記 - 2008年5月1日(木)

友人と京都駅付近で飲む。適当な店を二軒まわったあと、コンビニで小瓶の酒を買って、駅前の地べたに座りこんで飲む。それからJRで地元に戻り、ぼくんちでも飲む。深夜2時くらいまで。彼は現在横浜に住んでいて、会えるのは年に数回きり。


で、彼に聞いた話。彼が東京に住んでいた時分、会社の帰りに井の頭公園をぶらついていると、カップ酒を手にした浮浪者風の中年男が、どこからともなく現れ、こう話しかけてきたという。


「アルマーキー ナーニャータ?」
英語が得意で、ドイツ語、ロシア語等もかじっている彼も、これは何語なのかさっぱりわからない。とまどっていると、男はまた
「アルマーキー ナーニャータ?」
と繰り返す。友人は困惑するばかり。が、次の瞬間、パッと意味がわかった。それは
「有馬記念何番入った?」
という日本語だった。
男は酔っ払っているふうでロレツがまわっていなかったので、外国語に聞こえたのだった。
「いや、知らないです・・・」
と彼が答えると、男は
「なんだ、オメ、競馬やらんのけ」
と言って去っていったという。(O)


M編集部員日記 - 2008年4月27日(日)

前回のH氏の日記について。「人間が生きるためには何か物語が必要なのだとおもう」という一文があったけれど、結局平凡そうな普通の人の日常にも日々小さな幸せと小さな不幸があって、それの積み重ねが物語ということではないだろうか、僕はそんなふうに思っている。といいつつ、今の僕は現実よりもやはり、空想の中に物語を描いているのも事実だと思う。


今日、ワンダアカフェに「シグナレス」3号を持っていったら、マスターが「シグナレス」のことを憶えてくれていて、ちょっとうれしかった。


夜7時半から京都駅前ハトヤ瑞鳳閣で3号の打ち上げ。今回はメンバーのほかゲスト2人も含む総勢6人が集合。ゲスト2人が来てくれたのは、うれしい限り。しかし、今日も僕は今どきの言葉で言うと「KY」だったような気がする。うーん。


明日から、どんな新しい物語が始まるのか、僕にもよく分からない。それでも、また朝が来る。(M)


H編集部員日記 - 2008年4月20日(日)

 またまた日記の当番がまわってくる、書く事なんて無い。そもそも僕は出歩くのが嫌いな人なので、2〜3ヶ月外に出なくても何とも思わないのだ。何をしてるのか?そう問われることがたまにある。「寝てる」そう僕は答える。そして、これは誇張ではなく文字どうり寝てる。テレビも見ない本も読まないネットもしない新聞も読まない。目は開けているかもしれないが、閉じているのと大差なく考えることもない。最近は興味のあることも少なくなってきて、廃人になりかけなので、カメラのことを自分の趣味と考えるようにして自分を現世に繋ぎ止めている。別になくてはならないものなんて初めからありはしなかった、だから何も極めようとは思いもよらない。盲目な生への未練と家族への愛着だけを頼りに生きている。


 人間が生きるためには何か物語が必要なのだとおもう、何かがすごく大事なのだという感覚をもつことだ。相対性は真実なのかもしれないが、相対性も言葉である以上、物語の一種でしかない。真実はその真実性によって限定され絶対化されている。僕のいう物語とは、このある種、絶対的な感覚のことで、宗教から愛、科学的理論まですべてを含んでいる。そして、僕が詩を書くのは詩が好きだからではない、だから、僕は他人の詩なんて読まないし、興味もない。荒涼と映った世界で貧しい者が生きるため最後で最低の物語を求めて足掻いている様だと思ってくれて良い。美しき者はいつも物語と供にあって世界の豊穣をうたうことができるのであろうが。生きると死ぬ、真実と虚偽、全体と部分、絶対と相対これらを超えた所に一体何があってどう言葉を発することが適当なのかあるいは沈黙か。僕は答えのでないことを良いことに眠りつづけている。


だから締め切り破っても怒らないでね♥  テヘッ!! (H)


O編集部員日記 - 2008年4月12日(土)

「シグナレス」3号をようやく受け取る。夜7時過ぎから嵐山で花見。肌寒いものの、花はなんとか残っていた。人気のない川上にて、N氏持参の七輪で焼肉。以前より酒癖が悪くなったM氏にからまれる。


M氏は終電間際で帰ったが、N氏と二人でそのあともしばらく呑みつづける。めずらしくN氏が泥酔。冷え込んできたのでそろそろお開きにしようと思った頃には、N氏はぐったりうなだれていた。氏が動けるようになるまで待つことに。氏は時々「さむいーさむいー」とうわごとを言っていた。ようやくフラフラ動きだしたと思ったら、バッタリ倒れた。ようやくぼくんちに帰れたのは深夜2時過ぎ。N氏は泊まっていった。ま、無事に帰れてよかった。(O)


M編集部員日記 - 2008年4月5日(土)

どこか遠くにでも行きたいなあ、などとついつい思ってしまう眠い4月の第1週。今週は、シグナレスに寄稿していただいているオアナさんの「エホン便り」とさとうさんの「よくがある」が相次いで届く。どちらも春らしい明るくほのぼのした内容。ところで、我が「シグナレス」3号はどうなってるんだろう


前回の日記でH氏がシグナレスを体に例えるならということを書いていたけれど、僕は編集部の4人全員が手足であり、目であり、頭脳であるとあえて言いたい。四者四様でそれぞれ色んな部分を持っていて、それが一つになったものが「シグナレス」なんじゃないかなと思っている。


近所をよく散歩している。時と場合により色んな散歩道があるけれど、最近気に入っているのは川べりの道を10分ほど歩き、公園に行くコース。今夜も公園まで散歩する。公園の桜が満開で、ブランコに座ってしばらく一人でぼんやりと見つめていた。本当に美しい時間は短い。(M)


H編集部員日記 - 2008年3月30日(日)

 そういえば、シグナレス3号の発行日って今日か明日ぐらいじゃないの〜?と、思いつつ日記の当番をこなします。僕は中心メンバーやないから、細かいところってわからんのよね〜。皆さんもシグナレスに関することは僕以外の人に訊いてくださいね。編集長はM氏、トップライターはO氏、そしてWEB、レイアウト、デザイン、表紙などビジュアルに関することはN氏(このHPではおなじみだよね)が担当なのですよ。そして、個性溢れるゲストメンバーの方々がシグナレスをより肉厚なものにしてくれているわけです。どうです読みたくなったでしょ?


 実際、僕的にフリーペーパーとしてはおもしろいとおもっています。特に3号はお勧め!ゲストの方のページだけでも読んどいたほうがええんちゃう?というぐらいのできやったはずです。


 私は何をやっているのかって?これを読んでいるぐらいの身内の方なら知っているとは思いますけど、WEBで公開している以上、誰か知らない人が見る可能性もありますので一応書いておきますと、売り子と詩と読書感想文です。ええ、書評とか本の紹介とかそんないいもんじゃありません。小学校の夏休みの宿題で休みの終了2−3日前に慌てて書いたあれです。あとM氏の古馴染みだからというお情けでもらった、ページの穴埋め代わりの詩っぽい短文ですね。


 シグナレスを人体に例えてみるなら、骨がO氏の文章とすると、ゲストさんが肉ですね、そしてM氏が全体に指令をだす脳と考えられて、N氏が別嬪かどうかを決める顔などの皮膚でしょうな。そしたら僕は何かいな?う〜ん難しいけど、爪ではないでしょうか。切っても切っても生えてくる爪。爪は伸ばしたままでは曲がるけど、自分では伸びるのを止めないので適当な長さで本体が切りましょう。綺麗にまとまった所で、ではハイチャ!!(H)


O編集部員日記 - 2008年3月19日(水)

近所の酒屋に一升瓶を買いに行く。金沢の「黒帯」という酒。一番よく飲んでいる。ま、尊敬している作家吉田健一のマネなんだけど。それにしても今年になって酒を呑んでない日がないような。


「BSアニメ夜話」を観る。名作アニメを語る番組。今夜取り上げられたのは「伝説巨神イデオン」。見たことないけど。今夜の番組での紹介映像を見た限りでは、「ガンダム」のしょぼい版みたいな感じもした。でもなかなか面白そう。今見直したいと思っているアニメは、『不思議の海のナディア』。DVDを買い揃えようか迷い中。


滝本晃司のニューアルバム『水槽の中に象』、気に入っている。夜寝る前、部屋の電気を消してから、聴いている。最後の「太陽がみているだけ」がいい。このもの悲しさが、この人の真骨頂だなと。2曲目の「落下」も好き。一方、仕事場で最近流しているのは、クレイジーケンバンドの『ゴールドフィッシュボウル』というアルバム。これ、カウリスマキの映画に使われた曲も入っている。


このところ映画のみならず、読書のほうも低調。長いものが読めない。ハタチの頃みたいに、あれもこれもという乱読の感じではもうないよな。今はガシガシ読めるときもあれば、そうでないときもある、という具合。今日読んでいたのは、酒井順子『いつから、中年?』。(O)


M編集部員日記 - 2008年3月14日(金)

雨の朝。雨の中、御所を歩いていると梅が満開で、何とも静かな気持ちになる。
夜、O氏とカフェ・モールでの滝本晃司のライブに行く。ここでの滝本晃司のライブは、昨年秋に続いて2度目。今回は新アルバム『水槽の中に象』のリリースにあわせてのツアー。たま時代の名曲から『水槽の中に象』に収められている新曲まで約1時間40分、何ともまったりと心地の良い時間で、あっという間に終わってしまったという印象。


一応、10日が3号の締め切りだったので続々と原稿が届いている。なかなかバラエティに富んだ面白い内容になっているのではないだろうか。自分自身は今回、ほとんど原稿を書いていないけれど、純粋に読者として楽しめそうに思う。できあがりが楽しみだ。(M)


H編集部員日記 - 2008年3月9日(月)

 当番だったのを忘れてて、慌てて日記をかく。今日は午後から大阪を廻ってみた。いや、生活に必要ないものを買うって楽しいね。女の子が服やバックを買うのと同じ感覚なのかもね。


 それにしても大阪って人が多いなあ。それに便利な施設が一杯で、至れりつくせりの感があります。僕は京都のしかも田舎者なので、何もかも行き届いた、つまり人間的に考えられた物事に感謝もしますが、戸惑うこともよくあります。僕には、いつもドウシヨウモナイという感覚が、心の片隅にあるのです。それは何も自分より優れた人などに対する劣等感といったことだけではなく(僕は優れた人間ではないので沢山感じていますよ)、何か非人間的な(単純に神とか自然とかいう言葉は使いたくありません)事に対する如何ともしがたいという感じです。まあ、こんな事を考えること自体、映画とかでいえば迷信を信じる農民キャラで、はやりの言葉で表現すると、負け犬人生というやつですかね。


 でも、それなりの負け方というのがあって、良い負け方、悪い負け方はあると考えています。これは何も価値観の転倒を企てて、負けるが勝ちだとか、考えているわけではなく、負けは負けとして、味わいつくさねばならないのですが。どうも、この事はうまく言えそうに無いのですが、負けて救済を乞う身の処し方というのでしょうか。負け続けることの清さと意志とでもいえばいいのか、ちょっと自分の中で、未整理で言葉が出てきません。もう寝よ。(H)


O編集部員日記 - 2008年2月25日(月)

休日。昼、家を出る。最寄りの嵐電の駅を通り過ぎ、阪急の駅まで歩く。目的地の四条へは嵐電を使っても行けるが、急いでいない場合は、こうすることが多い。桂川沿いを歩く。川のそばは気分がよくなる。通りのあちこちに昨日降った雪が残っている。


電車のなかでは、長田弘『読書のデモクラシー』を読む。大阪天神橋筋商店街の古本屋・矢野書房で買ったもの。長田弘もいつか「シグナレス」の特集で取り上げてもいいかも。


四条へ。新京極の「スタンド」で昼食。昭和初期の雰囲気がただよう大衆食堂。最近、休みの日はここで食べることが多い。今日は日替わり定食(トンカツ、ハンバーグ、揚げシュウマイ)と燗酒。いつものように混んでいる。客層は中高年が中心だが、若い人もけっこう混じっている。この店は昼でも酒を飲んでいる人が多い。若い人もビールを飲んでいる。観光客の多い新京極だが、ここは主に近所の人が利用しているようだ。


ほろ酔いで、いつものように本屋をまわる。喜久屋書店、ジュンク堂BAL店、ジュンク堂京都店、ブックストア談。買ったのは、川本三郎『東京暮らし』、中野純・文/中里和人・写真『東京サイハテ観光』、ラズウェル細木『酒のほそ道 呑ん兵衛散歩』。


そのあと、大丸の地下食品売り場をうろつく。夕食の弁当のほか、新潟の吟醸酒「吉乃川」一升瓶と、イカの黒造り(墨も混ぜた塩辛)の瓶詰めを買う。(O)


M編集部員日記 - 2008年2月24日(日)

終日、雪が降ったりやんだりの寒い一日。
午後から京都シネマで『やわらかい手』を観る。それなりに良くできているけれど、何となく物足りない。今年に入ってから、20本ほど映画を観たけれど、新作に関してはどうも駄作とは言えないけれど物足りないという印象の作品が多い。もっとも、観る側の自分自身の見方の問題なのかもしれない。


その後H氏、N氏と落ち合い京都市動物園へ次号の「大人の社会見学」の取材に行く。寒くて、象やカバなど主だった動物たちは小屋の中にいたけれども、なかなか面白かった。動物たちは狭く汚いコンクリートの檻の中で何となく寂しそうでもあり、気の毒な感じもしたけれども、どこか運命を悟っているようにも見える。とりわけゴリラが背中を向けて座っていたのが印象的だった。次号の「大人の社会見学」の原稿はH氏が書く予定。どんな原稿になるか楽しみだ。


閉園の16時30分に動物園を出て四条まで歩き、うどんすきを食べる。O氏がいないと呑むことより純粋に食べることが主となるので、割とさっぱりと早い時間に終わってしまう。時間が早いので、壱銭洋食を食べ、またまたクンパルシータを見に行くが、やっぱり閉まっている。もうあそこでコーヒーを何時間も待って飲むことは、永遠に出来ないのだろうか。(M)


H編集部員日記 - 2008年2月11日(月)

祝日で休みなので昨日思いついた旅に出る、近鉄特急で賢島へ!
昨日買って撫で回していた中古のボロカメラをお供にしての一人旅である。2時間30分、結構長い時間かかるだなあ〜。


途中、駅の売店に立ち寄ると前田のクラッカーが30円食べきリサイズで置いてあったので、すかさず購入。「俺がこんなに強いのも〜当たり前d(略)」と決まり文句をつぶやく不気味おやじの私が一人・・・・・。


朝は眠いので昼から出かけたもんで賢島についたら5時をまわっていた。冬のぼんやりしたうす曇の観光地は店のシャッターが並ぶばかりで、こちらのカメラのシャッターも閉じたまま。何が写っているかを問題にしているようでは、まだまだなんだろうな。カメラ道は果てしない。


うっかりすると帰れなくなりそうなので、賢島滞在20分ほどで早々に退却。帰宅したら9時になっていた。一瞬が永遠となるから充実といえるのであって、いわゆる充実した人生なんてクソ喰らえである。この無駄さが楽しい。この無駄を積み重ねた人生の1〜2分、いや数秒私に永遠が降り注いでくれたら、人生の果実は生り充ちる。その永遠は平凡すぎてわからないかも知れないだから探してなんかいない。気づくための到来を待っている。(H)


O編集部員日記 - 2008年2月10日(日)

夜7時半から、うちの近所のファミレスで編集会議。いつものメンバー4人。次号のことをいろいろ話し合う。いずれ映画の上映会やメンバーの個展などイベントもやりたいなあという話も出る。できるといいなあ。


次号特集は獅子文六。一番好きな文六作品を選べと言われたなら、『自由学校』をあげるかな。でも絶版。文六の小説は絶版ばかりだ(『てんやわんや』はまだ売ってたかな)。クセになるおもしろさなんだけどなあ。


会議の後は、食事をしながら雑談へとスライド。マンガのこと、音楽のこと、トイカメラのこと等々、ボソボソととりとめなく話す。最近読んだマンガでおもしろかったのは、吉田秋生『蝉時雨のやむ頃』。これはホントうまい。あ、それと今日の話題にはあがらなかったけど、福満しげゆき『僕の小規模な生活』。主人公のネガティブさがもどかしいんだけど、身につまされる。


帰宅後、フトンに寝ころんで読書。今読んでいるのは、庄野潤三『ガンビア滞在記』と、穂村弘『短歌の友人』。(O)


M編集部員日記 - 2008年2月2日(土)

午後から京都シネマで『ヒトラーの贋札』を観る。面白いけれど、ちょっとひねりが足りないという印象。その後、北白川のガケ書房へシグナレスの配布に行く。


午後7時から『シグナレス』2号の打ち上げ。メンバープラスゲスト2名の予定が、1名欠席のため5名集合。鍋をつつく。お酒、弱いので一人で酩酊。


2次会は1号にも登場したクンパルシータへ。昨年夏ごろから休んでいたけれど、再開したという情報があり行ってみるが、やはり閉まっている。


ということで、カラオケへ。アニソン、90年代の曲などみんなエンドレスで歌い続ける。


朝まで歌い続けるという3人を残し、午前1時ごろ2人で早退。タクシーで帰宅。それにしても、みんな元気だね。(M)


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