シグナレス/signaless signaless

M編集部員日記 - 2010年12月19日(日)

みなみ会館でカメン・カレフ監督『ソフィアの夜明け』を観る。ブルガリアの映画。作品の中で登場人物の女性のセリフに「世界が少しずつ狂ってきている、人々も少しずつ病んでいる」というようなものがあった。そんな世界の中で主人公の青年は希望を捜し求めている。夜明けは訪れたのか。この作品のラストをどのように観て良いのか、正直よく分からなかった。
今のこの時代に未来や希望といった言葉が純粋に存在するのか、これもよく分からない。絶望と希望はいつも入り混じっている。ただ、何となく思うのは根本的な部分で沈んでいっている感じがするということなのかもしれない。
小林泰三『天体の回転について』(ハヤカワ文庫)読了。SFの面白さを堪能させてくれる短編集。この本の解説の中で小林泰三を含む1962年生まれのSF作家のことが紹介されていて、これらの人々が「子供向けアニメと特撮番組」の影響を受けているとの指摘がなされているが、確かにそういった部分はあるのかもしれない。70年代、80年代がかなり良い時代だったように思える。
世の中にはどうあがいても、努力してもどうにもならないことがある。当たり前だけれど、平行線はいくら長く引いても交わることはない。それをどう乗り越えるのかということが大切なのは分かっているけれど、もうしばらく線を引き続けるのも悪くないと思う。(M)


O編集部員日記 - 2010年12月13日(月)

雨の休日。一日家で過ごす。寝転んで読書。


春日武彦『奇妙な情熱にかられて』(集英社新書)読了。
サブタイトルは「ミニチュア・境界線・贋物・蒐集」。新書というとハウツー的な内容や啓蒙的な内容が幅を利かせているジャンルだが、この本は一見無意味なことや苦笑を誘うような事象ばかり取り上げている。きわめて個人的に見え一般には「論じるに足る」とは思われていないような心の働きが、実は普遍的で、人生の立体感や人の心理におけるリアリティーをもたらしていることが論じられており、興味深い。


呉智英『マンガ狂につける薬 二天一流篇』(メディアファクトリー)読了。
うまい日本酒や珍しいワインが手に入ると、それに合う料理を工夫するように、マンガと活字の本を併せ読むことで、それぞれの特色が生き、今まで気づかなかった深みが見えてくる・・。そんな読書の二刀流に誘われる一冊。


木目士目『げんしけん』全9巻(講談社)読了。
よ・よかった。今頃かいっ、とリアルタイムの読者からはツッコまれそうだが。アキバ系青春物語だが、これはアキバ系でないぼくが読んでも面白かった。ビミョーな心理の綾(主に異性に対する)がたくみに描かれていて惹きこまれた。最終巻は思わず涙ぐみそうに・・。


藤子不二雄『エスパー魔美』全9巻(中央公論社)読了。
おてんばでおっちよこちょいな魔美と、知性派で心優しい高畑くんのやりとりが楽しい。どちらかというと、ギニヤ、ドジャーン、ンマーイのA先生のほうが好きなんだが、やっぱりF先生も面白い。F作品では「魔美」が一番好きかもしれない。けっこうダークな話が多いような。『ドラえもん』は大人になった今続けて読むとちょっと飽きが来るかもしれないけど、こっちは今読んでも正味面白く大満足。(O)


M編集部員日記 - 2010年12月3日(金)

入院中のHさんのお見舞いに行く。いつもながらにHさんは本当に前向き。おそらく、Hさんの心の内側では恐怖心や様々な葛藤があるんだろうけど、いつも明るく気丈にふるまっておられるので、こちらが励まされてしまう。
今週、「よくがある」が届いた。節目の60号。毎月、遅れることなく足掛け5年もつづけて発行されているのは、凄いの一言に尽きる。(M)


M編集部員日記 - 2010年11月27日(土)

SOLE Cafeでの滝本晃司のライブに行く。
少し早く着いたので、久しぶりに近くの母校を訪問。すっかり忘れていたことを色々思い出し、懐かしい気分に浸る。
ライブは14時開演。滝本晃司のライブには何度か行っているけれど、今回は初めての昼間のライブ。全体に地味な感じの選曲。いつも以上にまったりとした雰囲気で、心地よいひとときを過ごす。
先週から今週にかけて、また少し自分の無力さを実感させられた。
できることを少しずつ丁寧にやっていくしかないと思う。でも、今はそれすらできていない。(M)


M編集部員日記 - 2010年11月13日(土)

みなみ会館でフリジッド・バルドー主演『殿方ご免遊ばせ』を観る。王道のエンターテイメント、そんな感じ。
川上弘美『大好きな本』(文春文庫)読了。川上弘美さんの書評は、勿論、「仕事」として読んでいる本もあるのだろうけど、どの本も川上さん自身が大好きで多くの人に読んでもらいたいという思いが伝わってくるところが良い。
今年6月に初めて漬けた梅酒を飲む。まだ熟成が足りない感じだし、アルコールの量が間違っていたのか、薄いような気がする。(M)


O編集部員日記 - 2010年10月25日(月)

休日。あいにくの雨模様だったが、JR湖西線で、滋賀の新旭というところへ出かける。数年前、気まぐれを起こして堅田の浮御堂へ行ったことがあったが、新旭は堅田のさらに北方。のんびり電車に揺られてゆく。堅田を過ぎると、みるまに風景が変化する。右には湖面が見え隠れする。


着いた時には、雨は止んでいた。東へと歩いてみる。しばらくはやや殺風景な景色が続くが、まもなく車の音が遠のき、木々が多くなる。大通りから民家がぽつぽつ並ぶわき道へそれてみると、つげ義春の旅もののマンガに出てくるような、郷愁をかきたてる風景があらわれる。道は微妙にうねっていて、あたりの風景全体がどことなく懐かしいのである。ほとんど人を見かけることはなく、いくつかある商店や公共の会館も閉まっているところが多い。


ひとしきり辺りを歩きまわったあと、当地の目玉である「風車村」は遠いのでパスして、今日の締めくくりとして、神社にお参りする。藁園(わらその)神社といって、入り口には「生水の里」という標識がある。先ほど散策した道々の脇にも、細い清流があった。その標識とあわせて「なまづまつり」とある。境内には地震封じに木彫りのなまずがまつってあった。(O)


M編集部員日記 - 2010年10月24日(日)

献血に行く。
DVDでジュゼッペ・トルナトーレ監督『マレーナ』を観る。ベタだけど、やっぱり良い作品。
先週は色々あった。O氏からまたまたお叱りのメールをもらい、水曜日には以前お世話になった先輩と食事に行って、普段話せないような話を色々して、その後先輩からもやっぱり叱咤激励のメールをいただいてしまった。そんな中で、改めて人間の不思議さを実感。もっとも不思議なのは自分自身で、自分でもよくわからない。自分が自分であることは多分、ただの偶然なのだろうし、だからこそ、どうしようもなくて、それを必然として受け入れる以外に方法はない。
先日O氏と飲んだときに、文章の誠実さということが話題になった。O氏いわく吉田健一は誠実な文章を書くとのこと。それは、吉田健一の文章というものが自身が書きたいものをストレートに書いているというようなことと僕は受け止めたのだけれど、だからこそどこか難解な文章なのかもしれない。文章の誠実さということでいえば、僕の文章は一見誠実そうに見えて不誠実なのだろうし、嘘をつくにしても誠実さが必要なのだと思う。
先日O氏のLondonBooksで買った三遊亭円丈『御乱心』(主婦の友社)読了。落語協会分裂騒動を描いた一冊。吉田健一とは全然違うけれど、これも誠実な文章だと思う。 (M)


M編集部員日記 - 2010年10月17日(日)

朝からやるべきことがあって出かける。でも結局あまりやる気もしないので、まあいいかということにして15時くらいからみなみ会館へ映画を観に行く。『ハロルドとモード』、『バード★シット』の2本を観る。『ハロルドとモード』は生きる意味を失っていた少年が老女と出会い大人になっていくというようなストーリーで地味ながら切ない良い映画だった。もう一本の『バード★シット』は予告編から想像していたのとは全く違う印象で、カーチェースや連続殺人や敏腕刑事など、どれもこれも脈略なく詰め込まれていてよく分からなかった。
ところで、昨日の日記に掲載されている写真に全く説明がなかったのだけれど、左側はアナベル・リーで飲んだお店と同じ名前のアナベル・リーというカクテル。そして右側は近所の商店街のシャッター。ちなみにアナベル・リーというお店の名前の由来はポーの詩のタイトル。酔っ払いとは無縁の美しく切ない詩。興味のある方は岩波文庫『ポー詩集』に収められていますので、読んでみてください。(M)


M編集部員日記 - 2010年10月16日(土)

酔っ払いは最低です。
アナベルリーで今日も昼酒。その後、京都会館第2ホールでの奥華子のライブへ行く。奥華子、かわいいし、サービス満点。改めて好きになってしまいました。ライブのあと、コンビニで缶チューハイ買って呑みながら、O氏のロンドンブックスへ行く。その後またまたO氏と呑みベロンベロンでこの日記を書く。もう少し時間が必要とか言いながら、現状に甘えている自分は最低。(M)


アナベル・リー/近所の商店街のシャッター


M編集部員日記 - 2010年10月11日(月)

朝からお酒を飲んで酔っ払う。
午後からみなみ会館にてアピチャッポン・ウィーラセタクン監督『トロピカル・マラディ』を観る。前半、二人の男性の情愛を描いていたかと思うと、後半は突然幻想的な展開で男が虎になるというストーリー。中島敦の『山月記』をモチーフにした作品らしいが、後半の展開は少々唐突で、幻想性が強過ぎるような印象。しかし、この映画を観て、内容に全く関係なく、休みの日だからといって、日の高いうちから酔っ払っているような生活は改めなければいけないと強く思う。(M)


M編集部員日記 - 2010年10月10日(日)

アートコンプレックス1928での谷山浩子のライブへ行く。ここでのライブを観に行くのも、4回目。今回は渋めの選曲。非日常の時間に浸る。
ライブのあと、編集会議。10号の発行に向けての諸々の確認と11号に向けて。随分遅れてしまったけれど、ここから順調に行けば、11月初旬には10号発行の見込み。
会議後、沖縄炭火焼きを食べに行く。ビールと泡盛を飲んですっかり酔っぱらってしまう。0時30分頃帰宅。帰ってから、牛乳で割って飲むリキュールを1杯だけ飲む。(M)


O編集部員日記 - 2010年8月29日(日)

昨夜は久しぶりの編集会議。終わったあとは例によって、適当な居酒屋で飲む。このところ仕事中毒の気味があったんだが、やはり友達と飲むと気が晴れる。


古本屋開店から3ケ月が経つ。たくさん売れた日は喜び、あまり売れなかった日は落ち込み、と一喜一憂しつつ、なんとかやっている。当面、店売りだけでがんばるつもり。


今日もひとり店番。このところ猛暑のせいもあってお客さんが減り気味だったが、今日は100名以上ご来店いただいた。昨日の買取本の値付けをする。学生さんと思しき男性がいい本をたくさん売ってくれた。しかもそのお金でまたうちの本を買ってくれ、ありがたし。


よく売れているのは、江國香織、角田光代、川上弘美、村上春樹、恩田陸。これらが売れるのは予想通りなんだが、中上健次が若い人にちょくちょく売れているのは、意外。


宮崎駿『出発点 1979-1996』を読み継ぐ。(O)


H編集部員日記 - 2010年8月8日(日)

 今日は私用があって昼前から京都市内にでていました。ぼくは顔見知りの人なら
わかるように、暑いのが苦手です。夏ばてとかはしたことが無いのですが、汗をアホほどかきます。そして水分を死ぬほど取ってしまうのです。今日も今日とてバカほど暑かったです。こんな頭が悪そうな文章をツラツラと書き連ねるほど暑さにはまいりました〜。
文芸フリーペーパーを書いているものとしてはあるまじきことなのですが、文章書くのって苦手なんですよね〜〜。話は変わって次のシグナレスですが僕の予想では大幅に遅れそうです。なぜかって?まだ編集会議さえまともにやってないからです!!社会人って悲しいですね。まあ今日あたり僕の用事がなければ社会見学の取材にいくつもりだったんですけどね。まあ遅れるのはいつものことなので、気長にお待ちください。慌てない、慌てない一休み、二休み・・・・・・・・・・(三休早川)


M編集部員日記 - 2010年7月24日(土)

西院の商店街にある喫茶店、でこ姉妹舎での滝本晃司のライブに行く。西院の駅を降りるとどしゃ降り。仕方なくコンビニで傘を買ってさしていったけれど、びしょ濡れ。
でも、ライブはやはり良くて、まったりとした心地よい時間を過ごす。
ライブが終わって外に出るとすっかり雨も上がっていて、美しい月が出ていた。
今週は、色んなことがあって、やっぱり人間というものは難しいと思ったりしたのだけれど、今日のライブで少し心が晴れたような気がする。(M)


M編集部員日記 - 2010年7月3日(土)

新京極シネラリーベで中島哲也監督『告白』を観る。
その後、9号完成の打ち上げ。20:00から御幸町通りを御池通りから少し上ったとこのスペイン料理店にて。スペイン料理がどんなものかというのは結局あまりよく分からなかったけれど、とにもかくにもボリュームは満点だった。一次会でみんな帰宅。ここのところ、以前のように日付が変わるまでということがない。それぞれにみんな忙しい模様。(M)


Copyright © signaless / 蒼幻舎 All rights reserved.